伊藤透のブログ

平田クリテリウム優勝データ公開

2019.2.17

2019年2月17日(日)開催の平田クリテリウムの観戦(C1のみ)へ行ってきました。

観戦した理由は2つで、”スタッフである小野選手の卒業レース(予定)”ということと、目が覚めた時に”久しぶりにレースを観戦したい”と思ったからです(僕が参戦するにはまだまだフィットネスレベルを戻してから…)。

 

 

さて、当スタジオから先ほど伝えた高校生の”小野選手”と平田クリテ2連覇中の”森崎選手”が参戦しました。観戦した結果は、森崎選手が2位以下に差をつけてゴールスプリントを制し、1位になりました。

 

実業団レースや学連でも活躍する選手たちが参加する平田クリテリウムのC1にて3連覇!とクリテリウム”では”力を発揮する森崎選手。きっと来週、当スタジオで”来月の平田クリテリウムも勝ちたいと思うので見に来てください”と言いそうな気がしました。

そんな気がした僕は”むしろ彼が追い詰められている姿をみたい”と小悪魔的な感情を先読みして抱いたので、森崎選手の平田クリテリウムのパワーデータと、そこから読み取った平田クリテリウムの傾向と対策を説明したいと思います。

 

パワーデータから平田クリテリウムの特性を読み取る

まずは本日の平田クリテリウムを走行した森崎選手のパワーデータは以下の通りです。

45分間での平均出力は”Ave Power 228w”で平均ケイデンスは”93rpm”

45分間の出力の内訳は以下の通り(色分けしてます)

L1 ( Active Recovery ) : 46.3%
L2 ( Endurance ) : 13.9%
L3 ( Tempo ) : 8.7%
L4 ( LT ) : 7.2%
L5 ( Vo2max ) : 5.6% 
L6 ( Anaerobic Capacity ) : 18.4%

ちなみに”228w”という出力は、森崎選手にとってEndurance強度なので比較的楽そうに思いますが、NPで見てみると”298w”と高くなっているため、実質それくらいの強度で45分間も走り続けたくらいの負担ではあります。

これは、各コーナーの立ち上がり(主に第2、第4コーナー)時に強度が掛かっているからですね。このように、平田クリテリウムのコースの場合は”FTPが高いことよりも、何度L6領域で走行しても疲れない間欠持久力が大切“でもあります。

 

さて、ここで注目して欲しいのは、そんなコーナーごとにインターバルが掛かるコースでは、脚に疲労が溜まるはずなのに、彼がゴールスプリントまでの間”なぜ余力を残すことができたのか“ということです。

 

ここで、森崎選手のとある1周回分のLAPをデータでお見せしたいと思います。

 

A. 第4コーナーの立ち上がり8秒
” 488w ( Max 953w ) / 98 rpm ( Max 119rpm )”

B.第2コーナーの立ち上がり11秒
” 592w ( Max 961w ) / 115 rpm ( Max 123 rpm )”

 

このデータがどうした?と思うかもしれませんが、今回の平田クリテでの第2コーナー付近を見て思いましたが、コーナーの立ち上がりを”ギアを上げて加速する(ケイデンスを下げて踏む)”選手が非常に多いことを感じます。おそらく70-80rpmでダンシングをしながら徐々に加速する人を多く見られました。

 

一方、森崎選手はダンシングをするよりも、むしろ軽めのギアを選び、シッティングでスイスイとケイデンスを上げてコーナーの立ち上がりを処理することが多かったように思います。

 

確かに、トルクをかけて速度(パワー)をあげることは楽に思えるかもしれませんが、こうした状況が何度も続くクリテリウムでは、足に掛かるダメージが非常に大きく、後半になるにつれて足に溜まった乳酸の処理が追いつかなくなり、ゴールスプリントでもフレッシュな状態でスプリントをすることができなくなることが多いです。

 

 

意外かもしれませんが、森崎選手のように、同じような出力を出すにもケイデンスを上げて速度(パワー)を出したほうが、脚に溜まる疲労は少ないことのほうが多く、フレッシュな状態でスプリントに持ち込むことができます。

 

 

こうして余力を持った森崎選手のゴールスプリントを行い始めた瞬間の出力は ” 1127w / 5秒 ( Ave 118 rpm ) “。ゴールラインを通過する前に勝ちを確信し、踏むのをやめてからも2位以下に大きく差をつけていたようにも見えます。

 

このように、レースで勝つことを考えたパワートレーニングを行う場合(L6領域での高強度インターバルなど)、コーナーの立ち上がりでの方法など、実際のシミュレーションを踏まえてギア比を上げて負荷をあげるのではなくケイデンスを110rpm以上にして指定強度をこなす、といったインターバルを実施してみてはいかがでしょうか?

平田クリテリウム専門パワートレーニング( 基本編 )

 

また、戦略などは森崎選手が個人ブログに書くと思いますので、平田クリテリウムや同様の周回コースにおけるレースで戦いたい!勝ちたい!と思う方は、それと照らし合わせて、こうした走り方を練習して、試してみてはいかがでしょうか?

森崎英登選手の平田クリテリウムレースブログ(2019年2月17日)

 

東海地方のレースが、ますます盛り上がりますように。頑張る皆さんを応援します!

 

※ちなみにもう一人の小野選手は、前日の落車の影響と最終コーナー立ち上がりで軽く落車に巻き込まれチーンとなってました。また来月、リベンジできたらリベンジしてね。笑