Training Peaks, 伊藤透のブログ

Training Peaks (トレーニングピークス) の使い方 ( ATP編 : 後編 )

2019.12.24

Training Peaks ( トレーニングピークス )の使い方 ( ATP : 前編 )にてATPの設定方法を説明しました。今回は、設定されたATPに基づいたプログラムの読み取り方について説明をさせていただきますが、ATP作成時に”Weekly hour””TSS by week””CTL”によってプログラムの読み取り方が変わります。

 

それぞれで考え方が変わる部分があると考えておりますが、今回は “Weekly hour” での使用方法を説明したいと思います。というのも、まずはWeekly hourで導かれるプログラムを理解していないと、TSSまたはCTLベースでのプログラムも作ることができないであろうと考えているからです。ですので、TSS / CTLベースでの読み取り方は、また別のブログで書きたいと思います。

 

今回はトレーニング理論の基礎を学ぶつもりで”Weekly hourでのATP”の記事を読んでいただければと思います。

 

グラフの読み取り方

まず、ATPで入力されたデータは、以下の図のようになって表示されます。
※”Weekly hour”で入力した場合

図の上段は帯グラフとなっておりますが、下段には”Week””Event”などの文字が表示されております。

 

上段のグラフを見ていただくと

・棒グラフの高さ
・棒グラフの下の色

が違うことに気づくと思います。

 

棒グラフの高さは”1週間の運動時間“を表します。また、棒グラフの下の色は”Period(期間における目的)“を表します。時間はわかると思いますが、Periodがわかりにくいと思いますので、表示される5つの項目とその意味をお伝えします。

 

Base … 基礎的な持久力および技術の習得
Build … レースに必要とされる能力の向上
Peak … レースに向けて刺激を入れる
Race … レースに向けた最終仕上げ
Transition … 休息 / 次のPeriodに備える

 

上記の中でも”Base 13“や”Build13“と分られていますが、これらはトレーニングの内容や量に細かい変化がもたらされています。

 

また、前編で休息を選択したと思いますが、当ブログでは“Every 4week”と選択したので、各Periodの4週目が休息となるように調整されております”。それらも自身のフィットネスレベルに合わせて選択しましょう。
※トレーニング初心者の場合は”Every 3week”を選択し、徐々に慣れてきたら”Every 4week”にすることをオススメします。

 

WeekとStrongによるプログラムの違い

前パートの記事にもありましたが、ここでWeekとStorongを選んだ事による違いを説明したいともいます。まずは、以下の図を見てましょう。

 

こちらのグラフでは、赤枠の箇所が異なるピリオドとなります。一番左の赤枠は、同じ”Base”というピリオドですが練習時間の量が少々異なりますし、一番右の赤枠は“Base(Week)”と”Build(Strong)”で分かれています

 

このWeekとStorongの違いを、各レース間のピリオドの違いから見ていきたいと思います(※PICK UP)。以下の図を確認ください。

 

 

Weekの方が”Base”となるピリオドが多く、レース間にも”基礎的な持久力としてのフィットネス“を向上させるためのプログラムを推奨されるようになります

Strongに方は”Build”となるピリオドが多く、レースにフォーカスして”レースに必要とされるパフォーマンス“を向上ためのプログラムを推奨されるようになります。

 

どちらがいいのだろうか?』と悩まれる方も多いと思いますが、個人的な指導経験で言うとCTLが70以上サイクリストはStorongを選んでもいいかな?と思います。この辺りは目的目標によって異なってくるので、明確な目的目標がある方は自身の予定に合わせて変えてみましょう。

 

 

推奨されるトレーニング方法

WeekとStrongの違いによるPeriodの違いを理解したところで、各Periodによって”どのようなトレーニングを実施すれば良いのか“を確認します

 

先ほどの図の右側に”Limiters – Bikes“と”Strength“という項目が、以下のように表示されています。

 

Limiters – Bike“には、バイクトレーニングで”どのようなトレーニングを実施すれば良いのか“が書かれています。こちらに表記される項目は7種類ありますが、その項目と意味を説明したいと思います。

 

Test 
トレーニングを継続して4-6週間ほど経過したタイミングで、自身のフィットネスのテストをします。FTPテストや各時間帯のMMPテスト、インターバルの反復テストなど、自身の向上させたい能力に対してのトレーニングが適切だったどうか確認します。

 

Endurance ( 持久力 )
基礎的な持久力(長時間動き続けられることができる能力)を鍛えます。パワートレーニング のZ2-Z3域での走行に当たると考えられます。

 

Force  (筋力)
登坂を利用し、トルクをかけるような走行で力強いペダリングを手に入れます。2-4%,4-6%などと斜度によってトレーニングの目的が違うので、自身に必要な能力に合わせて実施しましょう。

 

Speed Skill (スピード・スキル)
走行速度的な意味合いではなく”動作としてのスピードスキル”を表します。3本ローラーを利用したローギアの高ケイデンスなどのドリルを実施し、スムーズなペダリングを心がけた効率的な動作の習得などを狙います。※後のパフォーマンス向上に役立ちます

 

Muscular Endurance (筋持久力)
TTのように比較的ギアを長時間踏み続ける能力を鍛えます。パワートレーニング のZ4 – Z5域での走行に当たると考えられます。

 

Anaerobic Endurance (無酸素持久力)
ロングスプリントや短い上りでの能力を鍛えます。また、そうした無酸素運動における反復能力(Repeat Ability)の向上を目指します。パワートレーニング のZ6域での走行にあたると考えられます。

 

Power (最大出力)
コーナーの立ち上がりやスプリントの能力を鍛えます。パワートレーニング のZ7域での走行にあたると考えられます。また、この能力はForceおよびSpeed Skillを実施していくことで伸びていきます。

 

以上のような構成でトレーニングをリードしてくれます。

 

が、ここで肝心なことをお伝えしますと、ATPでは各Periodの目的は書いてありますが”具体的なトレーニングメニューは記載されておりません“。そうです、トレーニングメニューは自身で作成するか購入するかしかありません。
Training Peaks 用のトレーニングプランの購入はこちら(TPサイト)

 

トレーニングメニューはなくても、トレーニングでここまで取り組むべき目的別のPeriodをリードされるだけでも、非常に価値があると考えていますが、時間があれば各トレーニングの作成方法をお伝えしたいと思います(別のブログにて)。

 

 

Strengthには、ストレングストレーニングで“どのような意図を持ってどのようなトレーニングをおこなえば良いのか”が書かれています。こちらに表記される項目は以下の6種類になります。

 

・AA = Anatomical Adaptation
・ME = Muscular Endurance
・MS = Maximum Strength
・MT = Maximum Transition
・PE = Power Endurance
・SM = Strength Maintenance

 

全部説明したいところですが、指導させていただいている方々のATPを作成すると”MS”または”SM”が主に出てくるので、その2つを説明します。

 

Maximum Strength
最大筋力の向上を狙います。 冬場のトレーニングとして”8〜12週間ほど、週2〜3回の頻度“で実施することをオススメしています。詳しく調べてみると、2〜6setを3〜6repと書かれていますが、個人的な指導経験上および様々な理由により、もし今までストレングストレーニングを実施されていない方のATPのMSが出てきた場合は”4~8週間ほど、週2〜3回の頻度で2~5setを6~10rep“で実施した方が良いかもしれません。

 

Strength Maintenance
筋力を維持します。インシーズンになるとTraining PeaksのATP上では N/A ( Not Applicable )と記載されておりますが、指導経験上および様々な理由により、最低でも週1回の頻度で実施することをオススメしています。

 

それぞれのトレーニング方法や種目につきましては、Limiters-Bikeと同じように書いてないのかと思いきや Training PeaksのHelp Centerに記載されていますので以下を参照ください。
ATP Strength Phase Workout

 

とはいうものの、ストレングストレーニングに関しては思うところが沢山あるので、時間を作ってお伝えしたいと思います(別のブログにて)。

 

 

このように、Periodから考えられるLimiters – BikesとStrengthのテーマからトレーニングを組み立てていくと、フィットネスを向上させるために非常に有効なプログラムが出来上がるはずです。

 

是非、参考にしてみてください。

 

ATP通りにトレーニングをすれば良いのか?

 

ここまで書いて言うのもなんですが”ATP通りにトレーニングしていれば、パフォーマンスがあがるのか?“というと、そうでもありません。曖昧ですが”上がることもあるし、上がらないこともある “としか言いようがありません。

 

というのも、トレーニングには”個別性”があるため、いくらプログラムに漸進性過負荷を持たせていても、フィットネスが反応しないことがあるからです。最終的には、トレーニングにアクセントを持たせる必要があります。

 

例えばBaseの期間にWeek1-3までの間でDuration(積算運動時間)が全身的に増えていきますが”Week1からWeek3まで週10時間で固定してもいい”ですし、なんなら”Week4を休息にもしなくてもいい”こともあります。

また、Buildの期間にStrengthがN/Aになっていても”筋肉量(または筋力)が必要だ”という理由で入れても良いと思います。

 

最終的には自身に適切なトレーニング“ができていれば、ATPは参考程度でもいいかもしれません。とは言いつつ、その”自身に適切なトレーニングとはなんぞや?”と思う方が多いと思いますので、そのためのヒントとなる情報は発信していこうと思います。

 

希望であればトレーニング指導をしていこうと思いますので、いつでもお問い合わせください。最後まで、お読みいただきありがとうございました。