ヒルクライム好きに送るヒルクライムのためのトレーニングをしよう! Part.1-ヒルクライム理論編

当スタジオのある愛知県名古屋市の近辺では菰野ヒルクライムや伊吹山ヒルクライムの他にも、少し距離はありますが富士ヒルクライムや乗鞍ヒルクライムが開催されています。それらのヒルクライムレースは定員に達するほど人気であり、このエリアのサイクリストは、フィットネスレベルなど関係なく数多くエントリーしていると聞きます。

サイクリストがヒルクライムレースにハマる理由は幾つかあります。登頂したゴール後の景色が綺麗、到達するための苦労を超えて得られる達成感や、他者の影響を受けることが少ないため自身の成長がわかるからなど、それぞれに楽しみ方があるからでしょう。

今回は、そんなヒルクライムレースの楽しみ方の1つでもある【少しでもタイムを縮めるためには何をすればいいのか】という情報をご案内したいと思います。

坂を1秒でも速く登るためのポイント

ヒルクライムレースにおいて、少しでも速く坂を登るためのポイントは以下の通りです。

  1. ウエイト(Weight)
  2. ペーシング(Pacing)
  3. ペダリング(Pedaling)

すでにヒルクライムを楽しんでいる方も、これからヒルクライムを楽しもうという方も、タイムを縮めたいと考えた場合は是非とも参考にしてみてください。

ウエイト

lgf01e201309200900

ロードバイクにおけるヒルクライムでのウエイト(weight)は2つの意味を表しています。1つは【バイクウエイト(Bike Weight)=自転車の重量】で、もう1つは【ボディウエイト(Body Weight)=自分の体重】です。

前者については、サイクリング関係の雑誌やウェブサイトにて掲載されるヒルクライム特集で、どのように自転車の重量を減らすのかを紹介しているのをよく見ます。一般的に、誰でも簡単な減量方法としては以下の通りでしょうか。

  • バーテープを巻かない
  • ボトルゲージをつけない
  • アウターチェーンリングを外す

その他にも「ブラケットカバーをつけない」や「フロントシフターをくり抜く」というテクニックを駆使する選手もいるようです。そうした地道な工夫の積み重ねで1000gほど軽量化することができます…すごいですよね。しかし、ここからさらに軽量化する方法があります。それは以下の通りです。

  • 超軽量フレームを買う
  • 超軽量ホイールを買う
  • 超軽量コンポーネントを買う

このように「機材投資」で軽量化される方もいます。例えば、フレームの重量が1000gのフレームもあれば680gのフレームもありますし、前後で1800gのホイールがあれば1100gのホイールもあります。このように機材を変えてしまえば、簡単に1000gや2000gも変わることがあります。ただし、このような場合は機材で100万円を超えるケースが多々ありますので、一般にはあまりお勧めしません(が、こよなく自転車を愛する方は是非使ってあげてください)。では、機材投資をせずに、より速く走るためには何に着手すべきかといえば、後者の【自体重の減量】です。前者のように機材での減量を考えた場合、2000〜3000gほど減量できればいい方ですが、自身の体に溜まった体脂肪を落とせば、それ以上に軽くすることができます。

例えば、身長170cmで体重65kgで体脂肪18%の人がいたとしましょう。この方が乗鞍ヒルクライムまでの4ヶ月間、筋肉量は維持したまま1週間ずつ約500gずつ減量することができた場合、体重58kgで体脂肪率を8%まで落とすことができます。ちなみにこの場合、約7000g(7kg)の体脂肪を落としたことになります。これは不可能でしょうか?もちろん、体重を減らせば減らすほど少しずつ難易度はあがりますが、やり遂げる意志さえあれば不可能ではないでしょう。

100万円投資して減量するか、4ヶ月間地道に努力して減量するか…みなさんはどちらを選びますか?※例えの場合、機材の軽量化と体重の減量で10kgも変わります…両方という手も…?

ペダリング

ロードバイク_フリー素材1

たまに「平坦は同じペースで走れるけれど、ヒルクライムだとペースが維持できずにうまく走れない」という方に会います。これは後ほどお伝えするヒルクライムのペーシングを会得していないから、いうことも考えられますが、多くはカラダに問題がある場合があります。そうした方に対しては「柔軟性と筋力を高めながら、カラダの使い方を学びましょう」とお伝えしています。なぜそう伝えるのか…

突然ですが、クイズです。

ブラケットを握ったまま平坦とヒルクライムを走った場合、ペダルの上死点において膝が胸に近くなるのはどちらでしょう。記事なのですぐ答えが見えてしまうので全くクイズを楽しめないのですが、答えはヒルクライムです。

斜面を登っている時、上体の角度は平坦とあまり変わりませんが、乗っているロードバイクは前輪の下に台座ができたように角度がつくため、股関節の屈曲角度(膝が胸につくような動き)がキツくなります。その際、お尻やハムストリング、足首の柔軟性のない方は、骨盤が丸まったり左右に動いたりなど、ペダルを回した時にパワーロスしやすいようなフォームやペダリングになります。

このように、柔軟性が足りていないと平坦と同じようにペダリングをしているつもりでも動きが変わってしまうため、うまく走ることができません。より速く坂を登りたいという場合は、お尻やハムストリング、足首のストレッチをしたり、それらを使うスクワットなどのエクササイズにより筋肉が動くようにしてみましょう。少なくとも和式トイレで難なく大便を済ませることができるほどの柔軟性があるといいでしょう(冗談抜きで)。

[kanren postid=”756″]

ペーシング

14310402_1193483360719494_8637709986201388866_o

また、ここでクイズです。

坂を1秒でも速く走るためには、どのような方法がいいでしょうか?

  1. 前半飛ばして後半抑える
  2. 一定ペースで走る
  3. 前半抑えて後半飛ばす

ここで答えを言う前に、学生時代の体力測定を思い出してみましょう。

男性なら1500m走、女性なら1000m走というテストがあったと思いますが、みなさんはどのように走りましたか?スタートと同時に全力でダッシュした人もいれば、走るのがめんどくさくて途中まで楽に走ったり歩いたりして最後だけダッシュするという人もいたでしょう。そんな自分のことは置いておいて、体力測定の持久走で速かった人はどのように走っていましたか?おそらく、終始「一定ペース」で走っていたでしょう。そう、ヒルクライムも同じです。無理をすることなく、自分にあったペースを最後まで保ち、ゴールに近づくに連れて力を振り絞るように走れば確実にタイムを縮めることができます。

[kanren postid=”544″]

より楽に、より速く走るためには自分の体力レベルに見合ったペースを見極める必要があります。ヒルクライムも、これくらいの距離でこれくらいの勾配であればこれくらいのペーシング(ペース配分)でいけば、最後まで体力が持つだろう、という感覚を覚えることでタイムを縮めることができます。何度も同じ坂や峠を登って、その感覚を養ってみましょう。

ちなみに、当スタジオのある愛知県では、雨沢峠のタイム×4倍が乗鞍のタイムと言われているため、この時期から雨沢峠を走りこむ人が増えてきます。ちなみに、私の場合は雨沢が15分6秒なので【1時間24秒がゴールタイム】といったところでしょうか…東海エリアで乗鞍ヒルクライムに参加される皆さま、ルールを守って雨沢峠を走ってみてはいかがでしょう?

まとめ

今回は【少しでもタイムを縮めるためには何をすればいいのか】をお伝えしましたが、ヒルクライムの楽しみはそれ意外にも沢山あります。こちらに書いてある楽しみ方が全てではないので、一つの参考にしていただければと思います。

また、私の記憶が正しければ、昔自転車を乗り始めた頃、雑誌の乗鞍特集にママチャリで挑み1時間10分台で走りきったウォーリー衣装の人がいたような気がします。それをみて、これやってみたいなと思った遠い日の記憶もありますので、楽しめればそれが一番いいのかと。

これから始まるサイクリングシーズン。それぞれの楽しみ方で事故のないように努めながら動きましょう。